CADモデルでシミュレーションを実行するには、そのCADモデルが、解析に必要な基準を満たす必要があります。メッシュを生成する必要があるため、CADモデルが正しく見えるだけでは十分ではありません。そのため、CADの準備で説明したように、CADモデルの調整が必要になる場合があります。ここでは、そのポイントをご紹介します。

なぜトポロジーが重要か？

正確で効率的なシミュレーションを準備するためには、CADモデルがシミュレーションを実行するために適切なCADトポロジーを持っている必要があります。一般的に、CADモデルはソリッド、面、エッジ、頂点などの要素で構成されています。このトポロジーはメッシュの生成方法に影響するため、注意が必要です。

トポロジーとは？

ほとんどのCADモデルは、極限を使用して形状を記述するB-Rep法を使用して記述されます。B-Repモデルは2つの部分から構成されます: トポロジーとジオメトリです。しかし、CADにおけるジオメトリとトポロジの違いは何でしょうか？

トポロジーは、要素がどのように接続されているかを表します。
ジオメトリは、各要素の形状を記述します。

CADのジオメトリとトポロジについて考える場合、ジオメトリは定量化可能な情報であり、トポロジはジオメトリによって作成される形状です。CADジオメトリのスケールを変更した場合、ジオメトリの値は変更されますが、トポロジは変更されません。

単純な3セル×3セルのグリッドメッシュを例にとると、線の交点が頂点になります: ジオメトリ情報は線の交点または頂点の座標であり、トポロジは線に関する情報、言い換えれば、どの頂点が互いに接続されているかという情報です。

図1: 単純な3セル×3セルのグリッドメッシュと頂点の座標

CADモデルの構築方法や使用しているソフトウェアの種類によって、CADモデルのトポロジーは異なる方法で記述される場合があります。メッシュ作成を含めたシミュレーションの条件設定を成功させるためには、CADモデルのトポロジーを事前に把握しておくことが大いに役立ちます。そうすることで、メッシュの作成に無駄な時間を費やすことなく、後でそのメッシュが不正確であったり、シミュレーションの条件に適していないことに気づくことができます。

CADにおけるエンティティ

ソリッド

3次元の空間メッシュを用いてシミュレーションを実行するには、CADモデルにソリッドが含まれている必要があります。メッシュ作成のアルゴリズムはソリッドを自動的に検出し、空間メッシュを作成することができます。

CADモデルには、1つのソリッド(パーツ)または複数のソリッド(アセンブリ)のいずれかを含めることができます。これは、例えば構造解析を実行する場合に関連します。アセンブリを扱う場合、各ソリッドは1つのメッシュとして作成されるため、有効なシミュレーションを行うためには、後で接触条件を課してこれらのソリッドを接続する必要があります。

もう一つの方法は、アセンブリ全体をメッシュ化する前に、CADソフトウェア自体で単一のパーツに変換することです。単一のソリッドメッシュの場合、接触条件は必要ありません。

単一ソリッドのCADモデルを図2に示します。右上のツリーは単一ソリッドのみが存在することを示しています。