本検証ケース、SimScaleのMulti-purposeソルバーを用いて、遠心ポンプの以下のパラメータを検証することを目的とします。

  • 圧力損失 [Pa ]
  • 軸動力 [W ]

SimScaleの結果を、WANG Xiu-yong および WANG Can-xing による「Performance Prediction of Centrifugal Pump Based on the Method of Numerical Simulation.」と題する研究結果と比較します。

 ジオメトリ

本検証ケースで使用した延伸ポンプのCADモデルを、以下の図に示します:

図 1: 遠心ポンプのジオメトリー
図 2: ポンプブレードのジオメトリー

遠心ポンプの寸法を表1に示します:

DimensionValue [m] 
Upstream Length0.041
Downstream Length0.05
Inlet Diameter0.075
Outlet Diameter0.065
Pump Inside Diameter0.075
Pump Outside Diameter0.137

表1:遠心ポンプの寸法

解析タイプとメッシュ

解析タイプ: Multi-purpose 
乱流モデル: k-epsilon
定常/非定常: 定常および非定常

メッシュ:
メッシュはSimScaleのMulti-purpose専用メッシャーによる六面体の直行メッシュです。特定の領域の細分化は行っていません。自動メッシャーにより、全体メッシュに対して形状に応じて段階的に細かくなるようにメッシュが生成されます。

メッシュ感度

自動メッシュで、Finenessの設定を段階的に高めたメッシュにおいて、流量を30\({m^3/h}\) と固定してメッシュの感度調査を実施しました。感度調査の結果を図3に示します。

mesh sensitivity study

図 3: メッシュ感度調査の結果

図3では、一番左のプロット点から順番にメッシュが細かくなっています。メッシュ感度調査の結果に基づき、この後に示すシミュレーションにはFineness(細かさ)のレベルを4とする自動メッシュが使用されました。得られたメッシュを図4に示します。

図 4: Finenessレベル 4 の流体領域内のメッシュ

シミュレーション設定

3ケースの体積流量についてシミュレーションを実施しました。入口では一定圧力を設定し、出口では3つそれぞれの体積流量を設定しました。すべてのケースにおいてポンプの回転速度を一定としました。設定した境界条件を、図5および表2に示します。

流体:

    • 動粘度: 9.3379e-7 \({m^2/s}\)
    • 密度 : 997.33 \({{kg}/{m^3}}\)

境界条件:

図 5: 境界条件の概要
Boundary ConditionValue
Velocity Outlet(30, 50, 60) \({[m^3/h]}\)
Totalt Pressure Inlet1.013e+5 \({[Pa]}\)
No-slip wallポンプ内の壁面
Rotation Speed MRF Zone303.7 \({[rad/s]}\)

表2: ポンプ解析のための境界条件

結果比較

SimScaleで得られた結果を、WANG Xiu-yong と WANG Can-xing の実験と比較するために、ポンプ全体での圧力差とポンプの軸動力を測定しました。

図 6: SimScaleの結果と参考データの圧力ヘッド比較
図 7: SimScaleの結果と参考データの消費電力比較

考察

SimScaleで得られた結果とWANG Xiu-yongおよびWANG Can-xingの実験結果との差を、図8および図9に示します。すべての体積流量において、差は小さいことがわかります。圧力損失については定常解析 (steady-state) の方が精度が高く、軸動力の予測に関しては非定常解析 (transient) の方が差が小さいことが確認されました。

図 8: SimScale結果と実験データの圧力のずれ
図 9: SimScale結果と実験データの軸動力のずれ

3つの異なる流量におけるポンプ内部の流速分布:

図 10: 体積流量別ポンプ速度の等高線

参考文献