Puraは、アメリカ・ユタ州に本社を構える、スマート・ホームフレグランスの分野で注目される企業です。テクノロジーと香りを融合させた革新的な製品を提供し、「香りのある生活体験」を再定義しています。
私たちの暮らしに溶け込みながら、心を穏やかにし、空間に個性を与える香りは、偶然にして生まれるものではありません。Puraでは、上質な香料とIoT技術を組み合わせ、ユーザーが自分らしい香り環境を自在にデザインできる体験を実現しています。
香りの専門家と協業し、サステナビリティにも配慮した製品づくりを行っているPuraは、「安心」「パーソナライズ」「スマートコントロール」をキーワードに、誰もが快適で心地よい空間を楽しめる未来を目指しています。香りは、日々の生活をより豊かにする力がある——それが、Puraの信念です。
チャレンジ
- 車の換気口に依存せず、バッテリー駆動の新しい自動車用芳香剤を設計したい
- 静かな動作を実現するために、複数のファン形状を評価したい
- 車内全体に均一に香りを拡散させたい
- シミュレーション結果を実験データで検証したい
結果
- 自動車用芳香剤 Pura Car Proは、SimScaleを使用して設計され、気流、圧力損失、構造特性を最適化しました。
- クラウド上で並行してシミュレートされた数十種類の通気口とファンを評価しました。
- 3Dプリントと実験のコストを削減することで、設計反復を減らし数千ドルを節約できました。
- SimScaleのシミュレーション結果は実験データと比較して優れた予測精度を示しました。


芳香剤の設計にシミュレーションを活用
革新的なスマートフレグランス技術のリーダーであるPura社は、SimScaleの数値流体力学(CFD)を活用して、最新製品である自動車用芳香剤Pura Car Proの設計と最適化を行いました。これは、高度なシミュレーションと反復的なプロトタイピングにより、性能、耐久性、上質な香りの拡散を実現しました。CFDと有限要素解析(FEA)を活用することで、Pura社は開発を加速し、コストを最小限に抑え、最終製品で優れた結果を得ることができました。


Jared Raulston
Senior Mechanical Engineer at Pura
We have been using SimScale to develop new smart fragrance technology for the home and vehicles. The workflow from Onshape to SimScale is truly seamless and has helped us to innovate rapidly. Before, we used traditional desktop CAD and simulation tools, which, in hindsight, were a major obstacle to innovation. My team and I can run multiple CAD geometries in parallel in SimScale to evaluate airflow, pressure drop, and room air diffusion at once to quickly converge on a near-final product variant. Because of this, our 3D printing and physical testing costs have dropped, helping us save thousands of dollars and several days on each iteration. We have used the FEA solver for impact/drop tests and want to start using the new electromagnetics solver in SimScale to further analyze our devices.
私たちはSimScaleを使用して、家庭や自動車用の新しいスマートフレグランス技術を開発しています。Onshape(クラウド型CAD)からSimScaleへのワークフローは実にシームレスで、迅速な技術革新に役立っています。以前は、従来のオンプレミスで扱うCADとシミュレーションソフトを使用していましたが、今にして思えば、これが技術革新の大きな障害となっていました。私のチームと私は、SimScaleで複数のCADジオメトリを並行して実行し、気流、圧力損失、室内空気拡散を一度に評価することで、ほぼ最終的な製品バリエーションに素早く収束させることができます。このおかげで、3Dプリントと物理試験のコストが下がり、各反復にかかる数千ドルと数日を節約することができました。衝撃/落下試験にはFEAソルバーを使用していますが、SimScaleの新しい電磁界ソルバーを使用してデバイスの解析をさらに進めたいと考えています。
スマートフレグランス設計の課題
Pura Car Pro™の設計と最適化には、いくつかの工学的な課題がありました:
- 気流効率と拡散性: 車内全体に均一な香りを行き渡らせる。
- 耐久性: 落下の衝撃に耐える射出成形品の設計。
- 熱分析: 浮力による流れを利用したパッシブデバイスの性能を評価し、送風ファンの有無による評価を行う。
- 高速プロトタイピングと反復: 3Dプリントや物理的なスモークペン実験から時間とコストを削減するため、複数の設計反復を効率的に検証。
香り拡散のCFDシミュレーション
PuraはSimScaleのクラウドベースのプラットフォームを使用して、Pura Car Pro™を通過する気流のシミュレーションを行い、一般的な乗用車の車内における性能を評価しました。車のモデルは,SimScale の広範な公開プロジェクトから取得しています。まずPuraは、芳香剤に流入した空気がフレグランス媒体を通過し、4つの内部ダクト設計を通って排出されるシミュレーションを行い、最も効率的な構成を特定しました。圧力損失と流速を評価し、複数の通気口とダクト設計の最適な性能を確認しました。
チームは次に、粒子とパッシブ・スカラー機能を使って、3D車室内での香りの拡散をシミュレートし、車内レベルの拡散モデリングを行いました。測定は、香りが均等に分布するように、3Dモデルの体積全体にわたって行われた。装置内部の送風ファンは、運動量源モデルで与えました。この方法により、精度を維持しながらシミュレーションを簡素化し、ファン速度や軸流ファンと送風ファンの設計の影響を評価することができました。また、SimScale のファン性能曲線法を使用して、最終的な部品選定をする前にファンメーカーの性能データを評価しました。
CADモデルはOnshapeで作成され、シミュレーションのためにSimScaleにシームレスにインポートされました。従来利用していたSolidWorks(オンプレミス環境)からOnshape(クラウド環境)へ移行することで、クラウドネイティブな環境を構築しました。シミュレーションデータに基づいて最適な設計が選択されると、Pura社は3Dプリントを使用して実験用のプロトタイプを作成しました。このシミュレーションと高速プロトタイピングのハイブリッドワークフローにより、反復サイクルが大幅に短縮されました。
最後に、SimSclaeのFEAにより、製品が一般的な取り扱いや落下衝撃に耐えられることが確認されました。初期のプロトタイプでは、落下試験中に破損が見られましたが、シミュレーションにより応力集中が特定されたため、サポートリブを取り付けることで設計を強化することができました。
SimScaleを使用するメリット
チームは、テストした4つの設計から最適なダクト構造を選択することで、車内全体に均一な拡散を実現しました。圧力損失と気流速度は、静かな運転と効率的な香りの供給という設計目標を満たしました。これは、スモークペンと圧力・流速測定装置を使った実験との比較で優れた一致が確認されました。
シミュレーションにより、物理的なプロトタイプの必要性が減り、3Dプリントの反復ごとに数百ドルを節約することができました。チームは、数時間以内に設計を仮想的実験(=シミュレーション)できるようになり、1回の反復ごとに開発スケジュールを数日早めることができました。
SimScale上で並列シミュレーションを実行できるため、Pura社のチームは複数の設計を同時に進めることができ、生産性が大幅に向上しました。SimScaleのアニメーションなどのビジュアル出力は関係者と共有され、より良いコミュニケーションと意思決定が可能になりました。
本記事は、https://www.simscale.com/customers/pura-simulating-air-diffusion-technology/ の抄訳です。