過去から現在に至るまで、また今後の機能追加についてご紹介いたします。
構造解析 陽解法ソルバー Open Radioss 実装予定

OpenRadiossは、陽解法に基づく有限要素ソルバーで、衝突や落下などの高速かつ動的な構造解析に適しています。
クラッシュ解析や衝撃テスト、製品の衝撃シミュレーションに強く、自動車や電子機器分野での活用が期待されます。
陽的時間積分法により、計算時間が短く、リアルな衝撃挙動の再現が可能です。
SimScaleへの統合は年内を予定しています。
構造解析 非線形ソルバ Marc 実装予定

Marcは、非線形有限要素解析(FEA)に特化したソルバーで、複雑な接触や大変形、非線形材料の解析に強みがあります。
特に自己接触や多接触が生じる構造部品の解析に適しており、自動車業界などで広く活用されています。
SimScaleでは、現在早期アクセスプログラムとして提供されており、一般公開は2025年下半期を予定しています。
熱・電磁界連成解析

電磁界ソルバーに新たに熱連成機能が追加され、発熱による温度分布やホットスポットの可視化が可能になりました。
これにより、設計段階で熱対策の評価・最適化が行えるようになります。さらに近日中に、温度依存の材料特性を設定できる機能も追加予定です。
この機能により、温度変化下での材料のふるまいをより正確に再現できます。
日本の風環境解析機能追加

歩行者風快適性解析のために選択可能なリストに、日本建築学会 AIJ(2004)規格が追加されました。
また、歩行者風快適性指標として以下が追加されました。
Eurocode、NEN8100、City of London、Australia/New Zealandい
さらに、風の快適性基準として、村上法と新たに2つの快適性基準が追加されました。
電磁界解析機能 搭載

SimScaleの新機能として、電磁界解析の機能が追加されました。
ユーザーはSimScaleの画面上でこれまでと同様の操作感で電磁界解析を実現することが出来ます。
現在は静磁場解析・静電場解析が搭載されていますが、将来的に熱連成解析、非定常磁場解析なども搭載される予定です。
AI・サロゲートモデル機能追加

SimScaleの新機能として、AIと機械学習(ML)を活用したシミュレーション予測が導入されました。
これにより、従来の物理ベースのシミュレーションに代わり、予測AIモデルを使って設計段階で迅速なパフォーマンス予測が可能となり、短期間でのデザイン改善が実現します。
SimScaleは、データ管理の負担を軽減するために、NAVASTOとの提携により、AIによるシミュレーション予測を提供しています。