山一ハガネは、各種特殊鋼の提供、生産用工具や金型の高精度部品の製造、エンジニアリング金属、プラスチック、シリコーンゴムなどの積層造形などの高度な製造技術に特化し、幅広いサービスを提供しています。
自動車用金型市場では、コンフォーマル冷却チャンネル設計に対する積層造形の需要が高まっており、本事例では複数の目標が設定されていました。これらの目標には、金型の試作期間の短縮、生産リードタイムの削減、鋳造/射出成形サイクルの短縮、そして高性能な金型の製造などが含まれていました。

山一ハガネは、クローズドループ設計のために設計段階で金型の冷却チャンネルの性能を直接評価するため、CAEを活用し、開発コストと間接費の削減を図りました。
山一ハガネがどのようにSimScaleを使ったのか
積層造形による設計プロセスを実行するには、多くの分野にわたる知識が求められます。ほとんどの作業は一人でデジタル上で完結できますが、エンジニアは製品開発のすべての段階――革新的な部品設計、トポロジー設計、最適化、機械的・熱的検証、量産化、製品準備など――に責任を持つ必要があります。

これらの作業を実行するには大量のハードウェアとソフトウェアが当然必要となり、それぞれを切り替えるのは煩雑です。SimScaleを利用することで、山一ハガネはシミュレーションのパラメータを保持したまま、異なる設計バージョンごとにジオメトリを簡単に入れ替えることができ、それによって直接的な設計検証が可能となりました。さらに、このクラウドネイティブなプラットフォームにより、チームメンバーは1つのプロジェクト上で容易にコラボレーションを行うことができました。
シミュレーションによる挑戦と結果
冷却水路の設計には多くの反復が必要で、プロジェクトや製造のリードタイムは非常に短いことが多いです。

山一ハガネは、時間依存型の効率的なシミュレーションと、金属および冷却水の流れに対するCFD解析をスマートに実行する方法を必要としており、それによって次の開発フェーズにつながる成果を得ようとしていました。SimScaleはそのニーズに応えました。現在も山一ハガネは、さらなる設計テストや評価においてSimScaleとの協業を続けています。
With the Simscale Team, we could make a simplified simulation model simulating the injection and cooling time with heat flux. The simulation is not 100% accurate with reality but represents kind of the “worst-case scenario”, which was perfect for our needs.
SimScaleチームと一緒に、熱流束を用いて射出と冷却時間をシミュレーションする簡易モデルを作成することができました。このシミュレーションは現実と完全に一致しているわけではありませんが、一種の「最悪のケース」を表現しており、私たちのニーズにはぴったりでした。
Henri de Charnacé
Engineer at Yamaichi Special Steel
本記事は、https://www.simscale.com/customers/yamaichi-special-steel/ の抄訳です。