ステントについて

ステントは狭窄した血管を拡張し流路を確保するための医療器具です。狭窄は、血管の壁にコレステロールが蓄積し、結成されたプラークが血管の流れを阻害する症状です。この症状の血流解析を行った事例も公開しております。合わせてご覧ください。

ステントは狭窄部に縮小した状態で挿入し、その位置で圧力をかけて拡張することで、狭窄部を中から押し広げます。

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1. 解析設定

SimScaleで構造解析を行います。今回解析を行うステントは次の画像のものです。縮小した状態に内部から圧力をかけて、拡張する様子を確認します。

初期状態のステント (この状態で狭窄部に挿入します)

この解析で用いる材料の特性を示します。

材料名L605 Co-Cr
材料のふるまい弾塑性プラスチック
弾塑性モデルマルチリニア
ヤング率243 GPa
ポアソン比0.3
クリープなし
密度9270 kg/m3

境界条件は次の4つです。

yz面固定 (xの値を固定)
xz面固定 (yの値を固定)
xy面固定 (zの値が固定)
加圧面 (内部面へのバルーンによる圧力)

2. 解析結果

解析結果のアニメーションは次の通りです。

ステントの拡張解析 結果動画

血流解析は、心血管疾患の診断や治療計画において不可欠です。血流の異常は心臓発作や脳卒中のリスクを高めるため、解析により早期発見や最適な治療が可能となります。さらに、手術や治療後の効果評価にも役立ちます。また、個々の血管形状や病状が異なるため、モデル化が難しく個別の血流解析が求められます。SimScaleはシミュレーション用のワークステーションの準備は必要なく、一般的なノートPCのブラウザから、すぐにお使いいただくことができます。すぐに、どこからでもシミュレーションできるSimScaleは医療現場でも活躍しています。

SimScaleは無料でアカウントを作ってシミュレーションをお試しいただくことができます。